お茶の水の湯島聖堂に、
「宥座の器」(ゆうざのき)
というものがあります。
この器には水が入っていません。
空の時には傾き、ちょうど水の量が良い時
には、真っ直ぐに立ちます。
そして、器にどんどん水を入れると、
一斉にこぼれてしまう仕掛けとなっています。
孔子は、この器を通して、
「いっぱいに満たしてしまうと、
くつがえらない物は無い」
ということを言い表しました。
つまり、ものごとはバランスが取れている
中庸(ちゅうよう)が大切で、
行き過ぎてしまうと慢心や無理が表面に
出てしまうということです。
陰陽説においても、
陽は行き過ぎると陰に転じ、陰が行き過ぎると
陽に転じます。
氣の流れを見るときも同じで、
どのような良い氣であったとしても、
あまり行き過ぎないようにすることが肝心
です。
方位における氣は、それぞれ異なった特徴を
持っています。
では、方位における氣のバランスについて
見てみましょう。
・東方位→事業が発展し、活動的になれます。
但し、氣が強すぎると、収益を度外視して
事業の発展をおし進める等の傾向があります。
また、氣が弱すぎると、事業の発展が阻害されます。
・東南方位→コミュニケーションの取れた
バランスの取れた発展が望めます。
但し、氣が強すぎると、発展力が高まり
すぎて、柔軟性に欠ける面が表面化します。
また、氣が弱すぎると、コミュニケーションが阻害され、発展力が低下します。
・南方位→社会で認められ、目標達成の
可能性が高まります。
但し、氣が強すぎると、目標達成のために
社内の職場環境がギスギスします。
また、氣が弱すぎると、目標達成への原動力が
湧いてきません。
・西南方位→社内と取引先との関係が良好で、
事業が発展します。
但し、氣が強すぎると、社内外のギャップが
生じ、事業の発展が停滞します。
また、氣が弱すぎると、事業の発展自体が
望めません。
・西方位→収益目標が達成する方向性が
見えてきます。
但し、氣が強すぎると、収益目標のために
それ以外の面が見えなくなります。
また、氣が弱すぎると、収益目標が
達成しにくくなります。
・西北方位→経営者の統率力が強まり、
社内の組織力が高まります。
但し、氣が強すぎると、ワンマン経営になる
可能性があります。
また、氣が弱すぎると、統率力が弱まり、
社内の纏まりがつかなくなります。
・北方位→部下との関係性が良くなり、
目標に向けての ベクトルが一致し、
事業が発展します。
但し、氣が強すぎると、社内全体が停滞傾向に
なります。
また、氣が弱すぎると、ネガティブな環境と
なり発展が期待できなくなる。
・東北方位→事業意欲が湧くとともに、
社内の改革にも取り組みます。
但し、氣が強すぎると、事業意欲が高まりすぎ
て、早まって間違った決断をしかねません。
また、氣が弱すぎると、事業の展開が読めず、
せっかくのチャンスを逃す傾向にあります。
このように、
方位の氣のバランスの取り方しだいで、
事業の発展は、大きな影響を受けること
になります。